難治性躁うつ病 他院でのTMS経験者
男性 37歳
ストレスから10年前にうつ状態になり、いままで利用できるほとんどすべての薬物を経験しましたが、改善しませんでした。
他院にて光トポグラフィーを受け、うつ病と診断され、TMSを40回受けましたがあまり改善が見られませんでした。
当院に来られ、再度TMS治療を希望されました。
初診時SDS 60、DSMVから躁うつ病と再診断しました。
YBOCS 13で強迫傾向も見られました。
TMS20回実施後、SDS 39に大幅に減少、YBOCSも4となり正常範囲に入りました。
しかしご本人の実感はまだまだ回復とは言えないとのことで、
今後の治療継続が必要です。

※ 患者さん自身の健康実感度と客観的指標度はかなり喰い違うことがあります。
両者を総合的に判断していく必要があります。
最近、光トポグラフィーがあたかも確定診断のように喧伝されていますが、
この装置はその時点での脳血流量を測定するだけで
病気の経過全体を観測するわけではありません。
とくに重要なうつ病と躁うつ病の鑑別は、今回の例のようにあてになりません。
日本うつ病学会は、光トポグラフィーによる判断はあくまで補助的なものであると
警鐘を鳴らしています。
日本うつ病学会 声名 2016年11月29日をご参照ください。

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