われわれが中学高校で習い、かつては否定されたラマルクの「獲得形質は遺伝する」という学説が息を吹き返しそうです。
獲得形質とは、遺伝に拠らず、その人が生まれてから生活上で身に着いた特質、技能のことです。
運動選手とか、そろばん塾に行っていて計算が早いとか。

鍛冶屋の息子は、やはり鍛冶屋に向いているのでしょうか。

Diasらは、特定の匂い物質に条件化された恐怖反応が
子ども世代(F1)のみならず、孫世代(F2)にも引き継がれることを示しました。
 
Yehudaらは、ホロコースト体験者でPTDS罹患者の次世代者間では、PTSDリスクが増大し、これがグルココルチコイド受容体関連遺伝子のDNAメチル化(CH3-残基の付加)と関係していることを示しました。

その人自身は被虐待などの幼児体験を経なくても、病的状態が発現することがおこりえることになります。
これとは逆に、親の優れた、後天的な獲得形質が受け継がれていく可能性も当然あります。
われわれは、このような蓋然性も考慮しながら対応していく必要があります。

DiasBG, ResslerKJ: Parental olfactory experience influences behavior and neural structure
In subsequent generations. Nat Neurosci 17: 89-96: 2014

YehudaR et al.: Holocaust exposure induced intergenerational effects on FKBP5 methylation.
Biol Psychiatry 2015 Aug: [e-pub]

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