うつ病のパラダイムシフト
うつ病とは本来、抑うつ感情、意欲の焼失、判断力の低下などの精神症状が
状況にかかわりなく持続する病態のことです。
最近よく言われる「新型うつ病」では、短期間のうちに、また状況に大きく左右される精神状態をさしますが、これはうつ病ではありません。
マスコミウケを期待する言葉遊びは、うつ病の理解を妨げ危険です。
また20年ほど前から「うつ病は心のカゼ」という表現がはやり(今はさすがに廃れましたが)、
うつ病は治療すれば簡単に改善するという印象をあたえたことは大きな誤りです。
うつ病は回復しうる病気であるとされてきましたのも事実です。
しかし実際は、日本人有病率3-5%のうち、20-30%は治療抵抗性を示し、
慢性化に移行し、いつまでも引きこもり状態がつづくことになります。
うつ病を、積み重なった疲労による一時的な治癒可能な破綻と簡単にかんがえず、
慢性化にいつでも移行しうる病態であると捉え直しことが大切です。
うつ病とは脳の病気です。