最近のTMS(磁気刺激治療)症例報告8
強迫性障害
男性 17歳
受験生で通学時に不快事があり、そのことがきっかけとなり、
いままでの不愉快な思い出が繰り返し思い出されるようになり
勉強が手につかなくなり、うつ状態も併発していました。
一般に、強迫症とは戸締り・火の元の過度の確認、しつこい手洗いから、
不快な観念の侵入的な反復的な想起そして
その不安を打ち消すための繰り返される行為(確認、祈り)が続く状態です。
本人自身も不合理を理解していることが多いですが止めることができません。
非常に時間浪費性で消耗的で、社会生活、個人生活に多大の支障を来し、薬物療法、
心理療法がうまくいかない、治療抵抗性のつよい疾患です。
彼の場合、来院時強迫状態を見るYBOCSは20、CMI強迫性項目 5/6、SDS 59で、
中等度以上の強迫性とうつ状態が見られ、治療抵抗性が予想されました。
40回のrTMS後、YBOCS 10、SDS 47に劇的に低下しました。薬物療法ではここまで来るのに数年はかかる、
あるいは強迫症状はおさまらないと考えられます。この状態でもまだ不十分で、現在rTMSを続行中です。
終了次第、またご報告します。